公式練習中の衝突・ニアミスに関して

衝突事故の潜在的リスク

全日本選手権の公式練習中に羽生選手と村上選手が衝突したという報道がなされました。

まず最初に断っておきますが、複数人が同じリンクで滑走している以上、衝突事故は完全に防ぐことは難しく、どちらか一方のみに責任があるものではありません。滑走者すべてに注意義務があります。お互いがお互いを常に視認し、想定内の滑走をし、回避行動を取れるだけの距離を取っていれば防げますが、

  • お互いを視認 → 目は前方にしかついておらず死角が存在する 想定内の滑走 → 急静止や転倒、レアな方向への転換など、完全にすべてのケースを想定することはできない
  • 回避制動距離 → リンクの広さと滑走コースは限られており、距離を保ち続けることは出来ない ことより、衝突、、まではいかなくともニアミスは結構な頻度で発生します。

今回のケースに関して

https://pbs.twimg.com/tweet_video/CXOPUwRUEAAepRS.mp4

以下 twitter 投稿の再編集

まず、スリーステップからチェックいれてRfo(CW)に出ようとしたところでの出会い頭ですね。完全に死角です(視認不能)。壁際でのフォアcw折り返しはあまりないし、突然に近い転換なので(想定外動作)、壁沿いで流してた風なダイスとしては、え?ちょ?こっち来るの?って感じで避けきれなかった感じ(回避距離不足)。壁沿いには人がいることが多いので確認してから切り返さないと危険ですね。

貸し切り中は、お互いが気をつけるのがまず大原則。曲かけ中はその人優先で、それ以外の人は曲かけの人に注意して邪魔しないこと。とはいえ曲かけの人も人がいるところは避けてコース取りをする。映像をみると羽生選手はジャージを着てるので、おそらく自分の曲かけ中ではない(ふつう脱ぐ)。なのでお互い気をつけましょう中ではあるけど、死角へ軌道をとった羽生選手のほうが、より気をつけましょう、かな。

ダイスは相手を視認してた(直前で両手で防ごうとするそぶりが見える)惨事には至りませんでしたが、お互いが死角からトップスピードのままぶつかると中国杯のときみたくなってしまいます。

BOでチェックしたときは進行方向がもろ死角になるので、結構危ない。特に(今回みたいな)CWのLboは人が来る可能性が高い。一般滑走と違って「逆行」という概念は基本的にはないのですが、CCWスケーターが多いこと、アップや流しのときは左回りで進むことが多いので、それに反する切り返しやCWバッククロスをするときは特に気をつけないと危ない。

爆走系やリンクを隅々まで使う人の曲かけ中は、壁沿いに立ってても邪魔になることがあるので、リンクから上がって休憩にあてることも。パトリックの曲かけで他の人が上がっちゃう、というのもたまにみます。

選手貸切でもニアミスは時折見かけます。それぞれが違う軌道を取るため完全に死角を排除することは難しいです。危なそうなときは、コーチが「危ない!!」って声を出してますね。

羽生選手の衝突が多いかに関しては、単純に注目度とメディアでの露出が多いからそう写るだけかとは思いますが、スピードも速く軌道も複雑で、かつ彼自身比較的没頭しやすいタイプに見受けられるので、十分気をつけてもらいたいところ。